2014.05.01
「大学進学のためのワンデーセミナー2011」開催される


  7月16日(土)、本校高校生と保護者、教職員を対象とした、「大学進学のためのワンデーセミナー2011」が、高校棟とホールで盛大に開催されました。 今回のセミナーは、3月11日の東北地方太平洋沖地震や福島での原発事故を受け、「人の命の尊さ」「自然に対する見方・考え方」「知識・科学技術と人間力 とのかかわり」などをテーマにした講義が多く、熱心に聞き入る生徒の横顔が印象的な一日でした。

招致大学 招致学部 招致講師 テーマ
①筑波大学 比較文化学類 鷲津 浩子 教授 「知識の枠組み」という考え方―文科系と理科系を繋ぐもの―
②東京大学 先端科学技術研究
センター
飯田 誠  准教授 未来の再生可能なエネルギー
③大阪大学 大学院基礎工学
研究科
新井 健生 教授 ロボット工学入門
④高知大学 理学部 岡村 眞  教授 海溝型巨大地震の周期と防災
⑤高知県立大学 看護学部 益守 かづき 准教授
井上 正隆 助教
入院している子どもの看護
Lifeをまもるために私たちがすること
⑥高知工科大学 工学部 八田 章光 教授 エネルギーと地球環境
⑦青山学院大学 大学院国際政治
経済学研究科
塚本 俊也 教授 今、世界で何が起こっているのか?
⑧慶應義塾大学 環境情報学部 加藤 文俊 教授 「キャンパス」から「キャンプ」へ:学習環境とコミュニケーション
⑨中央大学 法務研究科・法学部 野村 修也 教授 リーガル・マインドについての話をしよう!
⑩法政大学 キャリアデザイン学部 笹川 孝一 教授 人生における「しごと」「職業」「あそび」の位置と「学問」「学習」
「学力」および「創造性」「個性」との関連について
―福沢諭吉に即して―
⑪明治大学 文学部 落合 弘樹 教授 ジョン万次郎と坂本龍馬 ―時代を飛び出す「越境」―
⑫早稲田大学 人間科学部 佐藤 将之 准教授 建築・環境デザイン論
⑬立命館大学 薬学部 北  秦行 教授 未来を生みだす君達へ-ライフサイエンスを志向する薬学-
⑭関西大学 商学部 川上 智子 教授 新製品開発とマーケティング
⑮関西学院大学 経済学部 根岸 紳  教授 日本経済のこれから

① 筑波大学 比較文化学類 鷲津浩子 教授  「『知識の枠組み』という考え方―文系と理科系を繋ぐもの―」
《講義内容》
 「わたしは日本人です―という言説は真か偽か」といういきなりの質問に大半が真とした生徒たちであったが、「わたし=日本人」という枠組みがないと真とは言えないと正されてちょっと戸惑い気味。 しかし、マトリョーシカのたとえ(入れ子構造)のあたりから、生徒たちの顔は次第に和んでゆく。「天動説→地動説」というおなじみの話も、「理解のための枠組み」ということで納得。 少々聞き慣れない難しい話もあったが、雷を起こす「雷獣」という怪物伝説、「鉄腕アトム」と「フランケンシュタイン」の対比など、興味深い具体例が豊富で、大いに知的好奇心を刺激されたようである。(笹岡眞人)


《生徒の感想》
・いろいろな時代に、いろいろな国の人が、いろいろな考え方をしているということがとてもおもしろかった。 現代は、昔から人々が一生懸命考えてきてわかったことを、最初から勉強するけれど、昔は、今より狭い枠組みの中で、いろいろ考えてわかろうとしていたから、 答えがでなかったり、今では思いつかないような考えが浮かんだりするのだ、ということがわかった。
(高1生)

・「知識」という言葉の意味を、私は今まで単に「知る」ことだと思っていたが、そうではなく「わかる」ということであるということがわかった。 単純に表面を滑るだけの知識は根付かないし、そこからさらに考えをめぐらすこともできない。だから「枠組み」を作ってきちんと理解しようとする。「わかる」という仕組みは、つまりそういうことなのかなと思った。(高3生)

② 東京大学  先端科学技術研究センター 飯田 誠 准教授  『未来の再生可能なエネルギー』
《講義内容》
 現在、日本で注目を浴びているエネルギーについてのテーマであり、生徒たちは大きな関心を持って受講しました。エネルギーのもとが太陽であることから始まり、 1次・2次エネルギーでは、日本の生活状態のありがたさを再認識し、再生可能なエネルギーでは、太陽光・風力・水力・地熱・海洋温度差・波力等の多くの発電の説明がありました。 特に風力発電では風車についての詳しいお話があり、生徒も興味深く聞き入っていました。これからは、みんなで未来のエネルギーについて真剣に考えていく必要があり、 「新エネルギーの普及と研究開発」や「再生可能なエネルギーのベストミックス」が重要であることを、生徒たちは具体的にイメージすることのできた講義でした。(石川剛久)


《生徒の感想》
・「最も節電すべきものは何か?」と見極めて実践してこそ本当に効果のある節電といえる。 発展途上国と先進国のそれぞれにおけるエネルギーのあり方や地球温暖化問題といった世界規模の課題に求めるべきは「一時的」ではなく「持続可能な」再生エネルギーなのだから、楽しく息の長い方法で向き合っていくべきものなのだと思った。(高3生)

・風力発電などの自然エネルギーを使うことで地球温暖化は解決できるが、そのためには理工学、政治、経済などさまざまな分野の協力が必要である。 今、日本の現状を知るために、いろんなことに目を向けていかなくてはと、この講義を通して感じた。(高2生)

③ 大阪大学 大学院 基礎工学研究科 新井健生 教授   『ロボット工学入門』
《講義内容》
産業ロボットなど現代社会においてロボットの果たす役割の大きさや、人間そっくりなアンドロイドや介護の分野で発展が見込まれるパワースーツなど、今後のロボット研究の展望などを分かりやすく解説していただきました。 ロボットについて本当に楽しそうにお話される新井先生の魅力に生徒たちは引き込まれていました。人間の知能へと迫っていくロボットの進化に対して、改めて人間とは何かということを、考えさせられる講義でした。(土居一成)


《生徒の感想》
・ロボット工学入門は人気のある講義なので、高1の僕が受講できたのはうれしかったです。僕は昔からロボットや機械が好きなので今回の講義はとても面白く 興味深かったです。世界のロボット技術がそこまで高いものだとは知らなかったので意外でした。 ロボットの定義についての新井先生の考えを聞いて、僕の「ロボット」に対するものの考え方が変わりました。(高1生)

・ヒューマノイドが作られているのなら、次は人みたいに思考プログラムなどを組み込んで、感情を出せるロボットが作れたらいいなと思いました。人知を超えた機械の開発が今にもできるのではないかとも思いました。 未来のロボットを自分の手で作り出して世の中で役立てられないだろうかと思いました。(高2生)

④ 高知大学 理学部 岡村眞 教授  『海溝型巨大地震の周期と防災』
《講義内容》
3月11日の東北地方太平洋沖地震で発生した津波が街を襲う映像から始まり、今回の地震がマグニチュード9クラスとしては、建物の倒壊などが少ない独特の揺れ方をしたこと、 それによって津波に対する避難が遅れたことなどを、岡村先生が現地で撮影した映像や資料をもとに詳しく説明してくださいました。 今後起こるであろう南海地震も今回の地震と同じ海溝型地震で、高知市も同じように津波の被害が考えられることや、地震の揺れへの対処なども併せて講義してくださいましたが、それに聞き入る生徒の表情が非常に真剣であったのが印象的でした。(国弘治彦)


《生徒の感想》
・この東日本大震災が起こったことにより、たくさんのことを考えさせられました。映像や画像を見て、地震や津波の怖さを知ることができました。地震が起こる前に準備をしておかないと地震が来てからじゃ遅い。 だから、家具の置き場など、考えて置かないといけないと思いました。(高1生)

・今回の東日本大震災の地震の津波の映像は何度もテレビで見たが、改めて見ると人々の嘆く声や逃げ惑う姿が映し出されており、地震の恐ろしさを再度実感した。 きっと私たちが将来南海地震でこれ以上の恐怖を感じる日が来ると思うと、恐怖や焦りで頭が混乱してしまった。 今回の津波が予測を上回るものであったように、未来を確実に予測することは不可能だ。だから岡村先生がおっしゃるように、いま自分ができることを考え、実行していかなければならないと思った。(高3生)

⑤ 高知県立大学 看護学部 益守かづき 教授   『入院している子どもの看護』
                    井上正隆 助教    『Lifeをまもるために私たちがすること』
《講義内容》
 井上助教によると、QOLという言葉は、かつては「命の質」と訳していたが、のちに「生活の質」となり、現在は「人生の質」と訳している。 そして現在、看護においては人生の質を実現することが重視されているのだそうだ。井上助教の講義はその後心肺蘇生法の実習となり、生徒とともに人形を使った心臓マッサージを行った。
 益守教授は小児看護の立場から、病院に入院している子どもに対して子どもの生きる権利をいかに保障するかが重要であり、 そのためには子どもとコミュニケーションをとるスキルを身につけることは看護師にとって不可欠であると説かれ、また、看護学を学ぶだけでなく創造する姿勢が必要であると語られた。(滝石裕二)


《生徒の感想》
・小児看護は、子供のことを第一に考え、子供と同じ目線で話すように看病しているという話を聞き、すごく感動しました。 病院で働くということだけでも大変そうなのに、子供との距離を縮めるための工夫までしているなんて、小児看護に携わっている方々は本当にすごいと思いました。人の命を生かす、という仕事は大変だけど、とてもやりがいがあるのだと感じました。
(高1生)

・人形を使った人命救急が一番印象深かったです。中学の時にも心臓マッサージをやりましたが、やはり難しいと感じました。その他、止血の方法は私にとって初めて経験するものでした。 私たちの身近にあるものが人を助ける道具に変わるので、緊急事態が起きた時の対処に使えるのではないかと思いました。(高2生)

⑥ 高知工科大学 工学部  八田章光 教授  『エネルギーと地球環境』
《講義内容》
エネルギーという言葉を何気なく使っているが、それを表す日本語はないという話から講義は始まった(中国語は「能」)。エネルギーは「パワー×時間」で得られるもので、 1人が出せるパワー(1人力はおよそ100㍗)を体感するために、全員が自転車を使っての人力発電実験に参加した。この実験で生徒たちの緊張が一気に解け、八田先生の話にどんどん引き込まれていった。 日ごろ使っている家電や自動車、さらにはダムや火力・原子力発電所が作るエネルギーが「何人力」なのかを知り、私達がいかに大きなエネルギーを消費しているかに驚かされた。 そして「持続可能な再生エネルギー」を普及させるために、私達は何が出来るのかを改めて考えさせられる講義であった。(西本正拓)


《生徒の感想》
・自転車に乗って発電するという体験を通して、100Wという電力(パワー)をずっと作り続けるのがどれだけ大変かわかった。自分が日常生活で使っている電力がかなり大きいものだということがわかった。(高2生)

・実際に自転車をこいでみて、自分たちが何気なく使っているエネルギーの大きさにとても驚きました。自分一人のために、60人分の力が必要なんて、そんなこと考えたことなかったです。 そんな膨大なエネルギーを作るために、地球の自然をどんどん喰いつぶしているのは、とても恐ろしいことだと思いました。
 また、「持続可能な発展、社会(Sustainable Development)」という考え方を初めて今日耳にして、人類はこのことについてどんどん学んで、考えていかなければならないと思いました。 そして、これを実現させるために「工学」があり、私たちは勉強をしているんだ、とも思いました。(高1生)

⑦ 青山学院大学 大学院国際政治経済学研究科 塚本俊也 教授  『今、世界で何が起こっているのか?』
《講義内容》
 塚本先生が紛争地帯や災害地で実際にボランティアとして活動されたことを話され、その時の写真を見せていただきました。私たちの世界とはかけ離れたことばかりで、本当に生徒たちはショックを受けただろうと思います。 先生は国内外で活躍するボランティアコーディネーターを育てたいと熱く語られました。先進国で暮らす私たちは開発途上国から食糧を奪い、あらゆる富を独占しています。 その恩を返すためにも、多くの日本人の若者に海外の発展途上国で活躍してほしいと先生は訴えられました。そのためにも、日本の若者にはまず海外に出て自分の目で世界を見てきてほしいと繰り返し言われていたのが印象的でした。 生徒たちは発展途上国やボランティアについて大いに関心を持ったようです。(田村和美)


《生徒の感想》
・NGOや海外青年協力隊など、先進国が途上国を援助していることばかりが注目されがちですが、実は先進国も途上国からの恩恵をたくさん享受しているんですね。 今日の講義を受け、ただ日本で現状を知るだけでなく途上国に足を運んでこの目で確かめたいと思いました。(高3生)

・私は今、世界で活躍できる仕事を取るか地域に密着した仕事をするのかですごく悩んでいました。そうした中で今日のセミナーでの先生の「世界 にかかわる仕事ならやるけど、地域の仕事はやらないというのはおかしい」という言葉に後押しされました。 地域とともに、また世界の人びととも協力し合い、よい社会を作るお手伝いができるような人になりたいと決意を固くしました。(高3生)

⑧ 慶應義塾大学 環境情報学部 加藤文俊 教授  『「キャンパス」から「キャンプ」へ:学習環境とコミュニケーション』
《講義内容》
 「頭のさえる場所はどこ?」という質問から講義は始まった。学びの予定された場所キャンパスで、知識が伝授され、知識の習得が行われる。しかし、知的活動はこの場のみに限定されるのではない。 キャンパスの外に目を向けたとき、知的好奇心を呼び起こすようなワクワクする場所がある。この場所をキャンプと呼ぶ。 現実の社会や人とのかかわりを持つことによって、そしてその中で自由闊達な議論をすることによってキャンパスでの知識は応用され、拡大し、社会に還元される。これが知的活動の本質である。 加藤先生は学生達とともに日本の「まち」をめぐり、「生きた知識とは」「知的活動とは」を問い続けられている。(三島順子)


《生徒の感想》
・「環境情報」という学部に今日初めて触れました。勉強をするためにキャンパスを抜け出し、キャンプするといった新しい考え方を通してこの学部の楽しさがわかった気がします。 ゆっくり時間をかけたり何度も足を運んだりすることだけが関係を築く方法なのではなく、見知らぬ土地での自分の居場所を知り、「よそ者」としての役割を見つけようという方法もあるということがわかりました。 たくましい自分を作るべく、思考と行動を一体化させ、「フィールドワーク」という方法と態度を身につけていこうと思います。(高2生)

・「キャンプ」の考え方は、私たちに欠けている大切なもののように思います。人のつながりが疎遠になっていき、外部とのコミュニケーションが薄れていっている現代が忘れているもののようにも思えました。 何だか本当の人と人とのつながりの大切さや、自分自身を見つめる良い機会でした。(高3生)

⑨ 中央大学 法務研究科・法学部  野村修也 教授  『リーガル・マインドの話をしよう!』
《講義内容》
  演題「リーガル・マインドについて考えよう」から「リーガル・マインドの話をしよう!」と変更した。これは、テレビ番組でとりあげられている「ハーバード大学白熱教室~正義とは?」のような問答を重ねながら、講義をすすめたいという、教授の要望からであった。 リーガル・マインドって何?悪法も法なり。ソクラテス・メソード。事実の分析力―健全な価値判断―制度を作る力のサイクル、等など、珠玉の言葉が次から次へと、私たちの耳に飛び込んでくる。残念ながら、激しい議論までは行きつかなかったが、 法学に興味を持ち出した生徒や、法律家になるためだけではないリーガル・マインドを身につけ、社会に役立ちたいと思った生徒が多くうまれたことが嬉しい。(山中淳二)


《生徒の感想》
・「正義」と「悪」の境界はあるようでないし、人の価値観によって変わるので、難しいところであると思います。答えは一つだけではないし、感情も入ってく るので、解決しにくいと思います。 正義のために法律を破っていいのか、これから考えていかなければならないと思いました。初めは「リーガル・マインド」の意味すら知りませんでしたが、身近 にありそうな例を挙げてお話しくださったので分かりやすかったです。楽しくわかりやすい授業をありがとうございました。(高1生)

・法律は考えれば考えるほど奥があって深みのある、とても興味深い学問だということがわかりました。今回考えたいくつかの題材も、単純そうに見えて、実はすごく難しい問題でした。 リーガル・マインドを身につけるために、日ごろから、身の回りのことに注意を向け、さまざまなことに関心を持ちたいと思います。 そして、今のうちから、事実を見落とさないようなものの見方を心掛けたいと思います。大学で法律を学ぶことがすごく楽しみになりました。(高3生)

⑩ 法政大学 キャリアデザイン学部 笹川孝一 教授 
『人生における「しごと」「職業」「遊び」の位置と「学問」「学習」「学力」および「創造性」「個性」について―福沢諭吉に即して―』
《講義内容》
 仕事と職業と遊びの違い、学問と学習と学力の違い、創造性と個性の違い、そしてそれらの相互関係について学びました。特に生徒達の興味を惹いたのはやはり勉強面に関する話でした。 繰り返し学ぶ「学習」だけでなく、学習したことを一度疑って自問自答をする「学問」が大切だということ、その上で、できることできないことをしっかり認識し、できないことをどれだけ補うことができるかが重要になってくることを学びました。 講義を通して学んだことをこれからの学校生活に役立ててほしいと思います。(水口由里子)


《生徒の感想》
・「個性というものは自分の特殊なところを世の中に通用するような形式にしたもの」という定義が印象的でした。「個性ってなんだろう」と前から思っていた私にとっては、理解しやすくほっとするような定義です。目が覚めたような感じでした。(高1生)

・学校で数学などを勉強して、将来こんな計算使うのだろうかと疑問に思っていましたが、実際その計算は使わなくても、自分の論理を鍛えるのに役立つと聞いて安心しました。 考え方次第でとらえ方が変わるので、自分のプラスになるような考え方をしていきたいです。(高3生)

⑪  明治大学 文学部 落合弘樹 教授  『ジョン万次郎と坂本龍馬 ―時代を飛び出す「越境」―』
《講義内容》
 ジョン万次郎と坂本龍馬の半生を「越境」という新たな光で捉え直してみようと講義は始まりました。 ジョン万次郎は漂流によって日本からアメリカへと、坂本龍馬は脱藩により土佐藩から日本へと「越境」し、両者の活躍によって時代は鎖国から開国へ、江戸から明治へとまさしく「越境」していったのです。 従来とは異なった視点で捉え直した時代の光景は、生徒の好奇心を刺激するものでした。(小田貴久)


《生徒の感想》
・今回の講義で、もともと興味のあった坂本龍馬についてさらに深く知ることができた。龍馬の誕生から寺田屋事件の後のことまでを細かく聞くことで、龍馬の 業績の偉大さを改めて実感した。特に薩長同盟は、龍馬のコミュニケーション能力の高さ を見せつけた。 ジョン万次郎に関してはこれまであまり目を向けなかったので、彼を知るいい機会になった。漂流した先から教養を身につけ、日本の国際化に貢献したことは大 きいと思う。歴史上の偉人に目を向けると、人生を上手に生きるヒントがもっと見つかりそうな気がした。(高2生)

・自分もこの二人のように自分の手で自分の道を開き、そして誰かの心の中に残るような人物になりたい!それがこの講義を聞いて何よりも強く感じたことでした。幕末という混乱した社会に生きる人の心を明るくした坂本龍馬とジョン万次郎。 元は下士と漁師という二人が日本という一つの国を変えてしまったということはとてつもない実行力と勇気の大きさが必要だったと思います。(高3生)

⑫ 早稲田大学 人間科学部 佐藤将之 准教授   『建築・環境デザイン論』
《講義内容》
 環境デザイン学というのは、生活にかかわるさまざまな事象を扱う幅の広い学問だということですが、その中でも今回は建築という観点から講義していただき ました。ただ建築物を造るのではなくいかに使いこなしていくのか、その中心に「人間」をおいてデザイン・企画している点が新鮮でした。 幼稚園児の行動リズムを細かく記録し、幼稚園において遊びの生まれるような窓の配置を提案した例は興味深いものでした。 また先生は東日本大震災の後に毎週被災地に足を運び、コミュニケーションが生まれるように配置された仮設住宅作りにかかわるなど、被災者のニーズを踏まえ た支援の重要性を訴えていました。
(藤澤佑介)


《生徒の感想》
・自分たちに身近な学校・幼稚園などその場に合ったモノを作ることが建築だと初めて知った。ただ「人が集う場所」としてだけでなく、「こう動くからこうデザインする」ということを考えて建築することが重要であることは想像もしなかった。 特に日常的に、定期的に人が動く場では、その場を利用する人に即したデザインを施すことによって今後の人の動きまでも左右するのではないかと思う。(高1生)

・今日の講義を聞いて、「建築」はモノを作ることだけではない、ということがわかりました。幼稚園児が例に出ていましたが、小さい子を観察して記録するこ とは本当に大変だと思います。でもそれをしたからこそ幼稚園を本当の意味で作ることができるのだなと思いました。 また、一番心に残っているのはベンチの話で、波型のベンチを作ったら、他人と隣になっても違和感がない場所、親しい人と向き合って座れる場所の両方ができ た、ということに感動しました。(高1生)

⑬ 立命館大学  薬学部 北 泰行 教授(学部長)  『未来を生み出す君達へ―ライフサイエンスを志向する薬学―』
《講義内容》
 講義の流れとして、「日本の薬学の歴史」、「くすりの発見」「現在の創薬研究」、「21世紀の薬学」、「大学からアプローチする新薬づくり」、「若者へのメッセージ」という内容だった。 その中でも非常に生徒の心に残った内容は、研究途中で偶然に発見されたくすりがたくさんあるが、「偶然は準備しているものにしか訪れない」という言葉であった。 目標に対して地道に努力すれば、必ず報われることを改めて学んだ。(島内武史)


《生徒の感想》
・いつも我々が飲んでいる薬がどのように見つかり、販売されているのか、ということを知ることができた。薬の発見は偶然によるものも多く、その偶然の発見 を見逃さないことが大切であるということも学ぶことができた。このことは、これからの自分の生活や将来に役立てていけると思う。(高2生)

・今回の話の中で最も印象的だったのは、年間62万件の薬が開発されながら、最終的に販売されるのが極わずかだということです。新薬完成まで9~10年、費用にして100~1000億円もかかるということもとても驚きました。 私たちの周りにたくさんある薬は、たくさんの人と時間とお金がかかっているんだと知りました。まだまだ不足している薬もたくさんあるそうなので、日本でも頑張っていい薬を作ってほしいです。(高2生)

⑭ 関西大学 商学部 川上智子 教授  『新製品開発とマーケティング』
《講義内容》
 生徒たちがよく知っているチョコレート菓子やスナック菓子、家庭用据え置き型テレビゲーム機などがどのように誕生し、消費者の手元に届くのかという身近 な事例を通じて、商学部がいかに日常生活と深く関わった学問であるか、高校生にも分かりやすく笑顔を絶やさず講義していただきました。 ある切り口で市場を分析し、特定の消費者層に狙いを定め、他社製品と差別化した魅力的な製品開発をすることが大切であると力説されていました。講義の後、 大学紹介もしてくださり、大学生になるとどのような勉強をするのか、またどういうことを学ぶ学部であるのか、生徒たちはより具体的にイメージできたのでは ないかと思います。(森 昭浩)


《生徒の感想》
・スナック菓子ひとつをとってみても、時代によってパッケージデザインの違いが生じたり、どの年齢層をターゲットにするかで、その商品の売り上げが変わってくるので、商品の企画はとても大変な作業だと思いました。 自分たちが普段手にする商品で、何気なく扱っているパッケージや広告なども企業の多くの方が携わっていることがよく分かりました。これからはこうしたことに対しても気にかけて見てみたいと思いました。(高1生)

・売れる商品というのは、全体のほんのわずかだと思います。だから多くの企業は他の商品との差別化を図ったりして商品を売る工夫をしていることが分かりました。どんな工夫をしているか、商品の裏に隠された背景を考えながら買い物をしようと思いました。(高3生)

⑮ 関西学院大学 経済学部 根岸 紳 教授   『日本経済のこれから』
《講義内容》
 日本経済の抱える課題は、終戦直後から今日にかけて、大きく変化している。デフレ経済、人口減少に伴う労働力の減少、また、雇用者の3人に1人が非正規 雇用等という現状を踏まえ、労働生産性上昇と雇用増加の同時発生の必要性に着眼し、技術進歩率上昇や資本設備拡大、さらには今後のサービス業の在り方に、 日本経済のこれからを見据える講義内容であった。 日本の特性を活かした経済的アプローチの重要性が、本講義の結びとなった。「覚える経済」から「活かす経済」へと生徒の目が開かれ、日ごろの学習と社会へ の関心が結び付く先に大学で学ぶ喜びがあることを実感したように思う。(塩見安代)


《生徒の感想》
・講義を聞く中で知らなかったことや分かったつもりでいた事柄などに気づくことができ、自分と経済との距離感を少しだけ縮めることができました。結論部分 で、これから日本経済をどうしていくのか、日本のよい部分や問題点などを挙げながら分かりやすく説明していただき、理解を深めることができました。(高1 生)

・経済のしくみが少し分かったように思う。不況などの経済状況を悲観的に捉えるのではなく、発展の可能性があると前向きな見方をすることが大切なことだと分かった。これからの日本は今までどおり技術の進歩に力を注ぐことが重要だと思った。
(高3生)