6月22日(土)、本校高校生と保護者、教職員を対象とした「第12回 THE ONE‐DAY SEMINAR 2013」を行いました。今回のセミナーは、全国各地から著名な15大学の先生方にお越しいただき、「日本再生の切り札を探る!」と題し開催しました。 iPS細胞、アベノミクス、メタンハイドレート、サイバー法など、旬の話題をテーマにした講義を通して、生徒達は現代社会の「今」を見つめ、日本の未来を考える良い機会となりました。 

大学名 学部・学科名 講師名 テーマ
① 筑波大学 国際総合学類 前川  啓治 教授 マクドナルドから世界をみる-政治経済と文化のグローカリゼーション
② 東京大学 医科学研究所 楠瀬 まゆみ
学術支援専門職員
iPS細胞・再生医療に関する倫理的課題について
③ 京都大学大学院 工学研究科 堀毛 悟史 助教 ここまで役立つナノ空間材料
④ 大阪大学大学院 理学研究科 芝井  広 教授 宇宙の世界への旅立ち -第2の地球と生命を探す-
⑤ 高知大学 海洋コア
総合研究センター
徳山 英一 特任教授 メタンハイドレート -次世代の自前エネルギー -
⑥ 高知県立大学 文化学部 橋尾 直和 教授 ことばのタイムスリップ -龍馬とジョン万の土佐ことば-
⑦ 高知工科大学 マネジメント学部 岡野 芳隆 講師 実験経済学とは何か~戦略的状況における人間の行動と経済理論について~
⑧ 青山学院大学 経済学部 舟島 義人 助教 日本の金融政策とアベノミクスについて
⑨ 慶應義塾大学 総合政策学部 古谷 知之 准教授 新しい「日本研究」
⑩ 中央大学 総合政策学部 平野 晋  教授 サイバー法とはなにか
⑪ 法政大学 理工学部 彌冨 仁  准教授 研究は楽しい!~人間の脳の情報処理機構を応用した、皮膚癌の自動診断システムの開発
⑫ 明治大学 文学部 神鷹 徳冶 教授 『源氏物語』と『白氏文集』
⑬ 早稲田大学 人間科学部 大月 友 准教授 こころの問題を探る心理学
⑭ 関西学院大学 文学部 永田 雄次郎  教授 美と芸術作品は仲良しか?-芸術とは感じる心―
⑮ 立命館大学 国際関係学部 ライカイ・ジョンボル
・ティボル准教授
異文化理解 -国内主義から国際化へ-

① 筑波大学 国際総合学類 前川 啓治 教授   『マクドナルドから世界を見る―政治経済と文化のグローカリゼーション』
 グローバルなものが地域にどう定着していくか、そこに地域の文化がどのように関係していくか、日本でのテリヤキバーガーを例にグローバルとローカルの戦略的接合を考え、ポスト近代への新たな課題について非常に興味深い講義をしていただきました。(小田 貴久)

≪生徒の感想≫
 「ローカリゼーション」も含めて「グローバリゼーション」だということがわかった。この二つをうまく接合し、ローカルなものからグローバルなものへ発展させることが大切だと感じた。自分も広い視点から物事を捉えられるようになりたいと思った。(高3生)
 

②東京大学 医科学研究所 楠瀬 まゆみ 学術支援専門職員   『iPS細胞・再生医療に関する倫理的課題について』
 山中教授のノーベル賞受賞で最近よく耳にするようになったiPS細胞であるが、これから何でも作れると思われがちだが胎盤だけは作れないことや、再生医療の実現化を目指す上で様々な倫理的課題があることを分かり易く講義していただいた。今回の講義を聴いて、今までとは異なる観点からそれらの話題を捉えることができるようになったのではないだろうか。(西本正拓)

≪生徒の感想≫
iPS細胞を倫理的に守るためにも、ちゃんとした法律や制度を作るべきだと思った。医療の進歩への貢献を目指したとしても、慎重に行っていかなくてはならないと思う。(高2生)


③ 京都大学大学院 工学研究科 堀毛 悟史 助教   『ここまで役立つナノ空間材料』
 ペットボトルに使われているテレフタル酸などで作られるナノ空間で、二酸化炭素を取り除き、新たなエネルギーを作りだせることをわかりやすく説明していただいた。学生時代のお話もしていただき、生徒たちも興味深そうに話を聞いていた。(中村 耕)

≪生徒の感想≫
化石燃料に頼らない新しいエネルギーを作ることは社会のためになることなので、とても良いと思った。この講義で今までよりも化学に興味を持つようになりました。(高1生)


④大阪大学大学院 理学研究科 芝井 広 教授   『宇宙の世界への旅立ち -第2の地球と生命を探す-』
 銀河系内で電波交信を行っている文明を持つ惑星の数を求めたドレイクの方程式では、25000個もあると言うことを聞いて、生徒たちも驚いていた。地球以外にも知的生命体は存在していて、すでに我々は見つけられ監視されているのを気づいていないだけかもしれないという気持ちになった。
(岡崎 嘉孝)

≪生徒の感想≫
 人間は自分たちこそが一番で、地球という小さな環境で優位に立っているとうぬぼれているが、これは地球外生命体の存在の可能性を考えると視野の狭い考え方だと思った。(高3生)


⑤高知大学 海洋コア総合研究センター 徳山 英一 特任教授   『メタンハイドレート ~次世代の自前エネルギー~』
 メタンハイドレートの構造・材質・存在量について分かりやすく説明していただいた。また、高知県沖にも埋まっている可能性が高い、という説明を聞いているときの生徒たちの目は真剣そのものであった。(友永 和弘)

≪生徒の感想≫
地理で最近習った内容だったので楽しく講義を受けることができた。メタンハイドレートがエネルギーとして多く使われることで生活が豊かになればよいと思った。(高2生)


⑥高知県立大学 文化学部 橋尾 直和 教授   『ことばのタイムスリップ -龍馬とジョン万の土佐ことば-』
 TVドラマ「JIN-仁-」の土佐弁監修も担当しており、土佐人よりも土佐弁に精通している橋尾教授の講義はまさにことばのタイムスリップでした。かつては高知県の多くの人が「じ」、「ぢ」、「ず」、「づ」の四つ仮名を区別して発音できたそうですが、現在は区別なく発音している人がほとんどです。地元高知の方言を再考する良い機会となりました。(西森千江子)

 ≪生徒の感想≫
「ことば」も含めて、昔の人のことを学び現代の社会に向き合うことが、今の日本には必要だと感じた講義でした。(高2生)


⑦高知工科大学 マネジメント学部 岡野 芳隆 講師   『実験経済学とは何か?~戦略的状況における人間の行動と経済倫理について』
 「実験経済学」という言葉にまったく聞き覚えのない生徒たちが、「他の人が選ぶ数字をあなたがどう予想するか」という美人投票ゲームを通じて、経済学分野の研究でも理科分野と同じように実験できることを学んだ。株式投資家たちも同じ理論で取引を行っているという内容を聞いて、生徒たちも興味が湧いたようだ。(乃一 輝久)

≪生徒の感想≫
実験経済学は文系の内容に数学が出てきて少し驚いた。心理学のような部分もあり、非常に興味深い内容だった。(高3生)


⑧青山学院大学経済学部 舟島 義人 助教授   『日本の経済政策とアベノミクスについて』
 経済学には個人や企業の側から見る「ミクロ経済学」と国全体から見る「マクロ経済学」がある。マクロ経済学は地域や産業間により異なるので自分の実感とそぐわないところもある。講義ではアベノミクスについてマクロ経済学の視点からお話をしていただいた。(鍋島 憲雄)

≪生徒の感想≫
 連日メディアで耳にする「アベノミクス」がどういうものか、そしてどんな効果をもたらすのか、今日の講義を聞いてよくわかった。経済が10年後どうなっているかを検証することで、アベノミクスの評価は大きく変わると思う。(高3生)


⑨ 慶應義塾大学 総合政策学部 古谷 知之 准教授   『新しい「日本研究」』
 高知県の抱える課題である急激な人口減少(少子高齢)について、医療・健康政策の充実といった中長期的戦略と、観光・交流人口の増加による地域活性化といった短中期的戦略の観点から講義していただいた。20、30年後に日本や世界で活躍するであろう生徒達には非常によい刺激となったようで、熱心に聴講する姿が見られた。(山本 宏和)

≪生徒の感想≫
これから起こる高知の問題についてよくわかった。高知は医療費が高い、ではどうやって下げるか?それは「病気にならないようにすること」だと教わった。高知を足掛かりににして日本の将来を考えることは重要だと感じた。(高1生)


⑩中央大学 総合政策学部 平野 晋 教授    『サイバー法とは何か』
 サイバースペースで起きている問題に対処するサイバー法の確立には、学際的な法学、すなわちlaw andsが必要である。それは縦割りの制定法のイメージ、また、特定の価値観や文化にとらわれることのない新しい法学である。(滝石 裕二)

≪生徒の感想≫
「学際法学」という新しい法学の概念についてとても興味を持った。現代人のインターネット利用率は非常に高くなっているので、そういうものとの付き合い方を改めて考える良い機会となった。(高3生)


⑪法政大学 工学部 彌冨 仁 准教授   『研究は楽しい!~人間の脳の情報処理機構を応用した、皮膚癌の自動診断システムの開発』
 先生の研究室でのコンピューターを使ったさまざまな識別、診断の例を紹介していただいた。特に皮膚ガンの診断はインターネットで公開され世界中で利用されているそうである。先生がご自身の研究をあまりに楽しそうに話されるので、私たちも先生の世界に引き込まれてしまった。(田村 和美)

≪生徒の感想≫
 将来、医療関係に進むつもりなので現在の医療に触れることができてよかった。医療が日本の発展にもつながると思うので、私もその一助となれるよう全力を尽くしたいと思った。(高3生)


⑫明治大学 文学部 神鷹 徳治 教授   『「源氏物語」と「白氏文集」』
 『文集』の読みは「もんじゅう」か「ぶんしゅう」かということから、高校授業とは異なる、大学における「学問」とはどのようなものか、日本語としての「漢文学」とはどのようなものかを講義していただいた。(川村 右京)

≪生徒の感想≫
平安時代の女性は男性と違って学ぶ場が設けられていなかったにも関わらず、漢文の白文を読み解き、源氏物語への土台とした紫式部の、文学への探求心に驚いた。(高3生)


⑬ 早稲田大学 人間科学部 大月 友 准教授   『こころの問題を探る心理学』
 「心理学とは何か」「こころとは何か」という抽象的な命題を、集団活動で個人差を解明する実験や、錯視を利用した心理実験などを通して具体的に楽しくご説明くださった。多くの生徒が心理学への好奇心をさらに募らせたようである。(織田 和久)

≪生徒の感想≫
臨床心理学は本当にたくさんの人を救うと思う。一人ひとりの持つ心の多様性を理解し、社会の様々な場面での人の心を科学的な側面から見ていくことは面白そうだと感じた。(高3生)


⑭ 関西学院大学 文学部 永田 雄次郎 教授   『美と芸術作品は仲良しか?―芸術と感じる心―』
 表情豊かに身振りを交え、ユニークな語り口で美と芸術作品との関係を問い直す講義は、芸術に対する生徒たちの一般通念を揺り動かすものであった。男性用便器を作品としたデュシャンの「泉」や、モソローフの「鉄工場」という音楽などに戸惑いながらも生徒たちは楽しんでいる様子であった。
(西山 典男)

≪生徒の感想≫
人間には誰でも「感じる心」があるんだと今日改めて思った。芸術を難しく考えすぎず、自分のペースでありのまま「感じる」ことが大切だとわかった。たくさんのものを見て、聴いて生きていきたい。(高2生)


⑮ 立命館大学 国際関係学部 ライカイ・ジョンボル・ティボル 准教授   『異文化理解 -国内主義から国際化へ-』
 日本国内では社会的ガラパゴス化が懸念される一方、今後都市部を中心にさらに外国人が増えることが予測されている。異文化理解はこのような現代を生きるためのキーワードである。これからの多文化社会に生きるために必要な多様性を認めるということはどういうことかを鋭く問いかける講義であった。(藤澤 佑介)

≪生徒の感想≫
 異文化を学ぶことで、日本と外国の文化のありかたの違い、それぞれの文化の良さが見えてくるのはとても面白いと思った。(高3生)