総合学習カリキュラム
6年間を通じたテーマ:「面白がる力」の再起動
一番大切にしたいコンセプトとして「面白がる力の再起動」ということをカリキュラムの中核に据えたい。ここで言う「面白がる力」というのは、ショート動画を見続けるようなエンターテイメントの消費とは対極にあるもので、世の中で出会う様々なものの成り立ち、仕組み、つながり等に知的な好奇心を向けて面白がる力である。
生まれたばかりの赤ちゃんはこういった知的好奇心に溢れているが、それがいつの間にか私たちを取り巻く何かによって、好奇心の目が曇らされてしまっている。こうした世の中を面白がる目の輝きを再び取り戻すためには何が必要なのだろうか?という問いに6年間をかけて向き合う。
この「面白がる力」が高まることで、教科学習への向き合い方が変わっていくことを期待したい。自分が出会ったことが、教科学習の中でつながることを面白がり、ある教科で学んだことが別の場面でつながることを面白がるという循環の中で、学ぶことが面白いという感覚が芽生えてくれば教科学習の質はきっと上がる。ここに総合学習に学校として取り組む意義がある。
● サブテーマ
リアクションが人を育てる
安心して自己表現できる関係
手を動かして作って学ぶ
体験が重要!言語化して智へと昇華!
学年別の流れ
<中学1年>
テーマ 探究のマインドセットを育む ~凝り固まった型をゆさぶる~
小学校でもICT活用が進み、ネットにある情報を活用した調べ学習が容易にできるようになった。その一方、「誰かに与えられた課題に対して、ネットでパッと調べて、スライドにそつなくコピペして、それらしくプレゼンする」ことが型として身についてしまっている場合も多いと感じている。いかにしてこの他人事の「軽・薄・短」な学習を「主体的・対話的で深い学び」に転換していくのかが総合学習の肝だと考える。身についてしまった型を一度アンラーニングし、手を動かして作って学ぶ姿勢を取り戻す。また安心して自己表現できる関係性をつくり、自分の「好き」や「こだわり」を安心して人前に出せるような場をつくる。
<中学2・3年>
テーマ 探究スキルを練習する
より深い探究活動ができるようになるために、探究スキルに焦点を当てた様々なテーマ探究(教員がテーマを決めて実施する探究プロジェクト)を実施していく。また探究に関する共通語いを作っていく。また色々なものに触れる中で、自分の中の興味関心の種を育てていく。
<高校1年・2年>
テーマ:マイ探究を究めていく
中学で探究の芽となる好奇心を耕した上で、高校では実際に個人の興味関心に基づいた探究活動を本格化させていく。
「探究実践ゼミ」として学年の垣根を超えて分かれて活動する授業と「探究基礎講座」として学年ごとに活動する授業を隔週で行う。この2つを両輪として並走させて探究のサイクルを深めていく。
●探究実践ゼミ
高1、高2の学年団全員の先生が伴走メンターとしてそれぞれのゼミを持つ
生徒は希望調査を経てゼミに振り分けられ、それぞれのゼミ内で、個人で探究テーマを設定して活動
生徒はそれぞれ割り当てられた場所で活動を行う
●探究基礎講座
テーマ設定、問い作り、データ収集、情報の整理などについて座学を含めて学んでいく
<高校3年>
テーマ:自分の望むあり方とつなげていく
これまでに取り組んできた探究を振り返り、自分の中で育ててきた興味・関心と、自分の望むあり方とを結び付けていく。
経過発表会 PRE−1 3月中旬開催
毎年3月に、それまでの取り組みの途中経過を学年を超えて発表する機会を設ける。
探究活動に終わりはないという意味を込め、成果発表会ではなく経過発表会とする。プレゼンテーションの見た目の鮮やかさに目が行きがちだが、この場の本質は発表者の「面白い」と聞き手の「面白い」が共鳴することであり、その中から新たな問いが生まれてくるような場であってほしいと願っている。
2024年度は土曜日の午前中を使い、中1~高2までの全生徒が40教室に分かれて取り組みを発表した。
発表者は全員、全ての聞き手からフィードバックシートを受け取ることができ、次の探究への駆動力につながっている。